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応募書類の書き方:履歴書の基本について【Part 2】

 

本シリーズでは、日本で使われる履歴書の書き方を最も基本的な事から解説していきます。前回のエントリーで記した通り、海外では履歴書のフォーマットやデザインがかなり自由である一方、日本で使われる履歴書のフォーマットが決まっていますので、日本での就職を考えている外国籍の方にとって履歴書の書き方をちゃんと理解するのは必須です。

 

Part 1では履歴書のフォーマット、張り付ける写真、そして基本情報の注意点について説明しましたが、Part 2では学歴、職歴、そして資格の欄について説明していきたいと思います。

 

JIS規格履歴書では、学歴と職歴の欄が一緒になっていますが、時系列に沿って学歴と職歴を混ぜて書いていくのではなく、同じ欄であっても学歴と職歴を分けて書いていくことが必要です。まず例を用いながらそれぞれの説明をしていきます。

 

  • 学歴

仕事を探すときに、学歴を明らかにする必要はありますが、小学時代からの学歴を書かなくてもいいです。実は、中学校を卒業した時点から書いていくことが基本です。理由は、日本の義務教育は中学校までだからです。履歴書の学歴の初頭に中学校卒業時期を書くことによって、義務教育を修了したということがわかります。そのため、学歴の欄を中学校の卒業から始めて、その後の学歴の入学時期と卒業時期を書いていきます。また、高校以降の教育に関しては、属している学部や学科などを明記した方が望ましいです。

 

        例:○○中学校 卒業

          ○○高等学校 入学

          ○○高等学校 卒業

          ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学

          ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業

          ○○大学大学院 ○○学部 ○○学科 入学

          ○○大学大学院 ○○学部 ○○学科 卒業

 

応募者が日本の大学に通っていて、初めての就職活動を行っている場合は、まだ在学中ということになるわけですが、卒業という言葉はもちろん使えません。その代わりに、卒業する予定があるということを明らかにする必要がありますので、以下の通りに書きます。

 

          ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み

 

日付はもちろん、卒業する予定の時期になります。なお、前回でも説明したのですが、日付を西暦で書く場合は、履歴書のすべての日付を西暦で書く必要があり、同様に、西暦ではなく、元号で書きたい場合は、履歴書のすべての日付を元号で書く必要があります。西暦と元号と混ぜないように気をつけましょう。

 

  • 職歴

職歴の書き方は学歴の書き方とほぼ変わりませんが、雇用形態を書くことが多いです。ただし、学生時代のアルバイトの場合は、職歴に書かなくても大丈夫です。新卒の方はほとんどの場合は正社員としての経験がなく、職歴の欄に書くことがないので、アルバイト歴を書かないといけないと思いがちですが、基本的にはアルバイト歴を書く必要はありません。新卒の面接で必ずアルバイトの経験について聞かれますので、書いていなくてもアルバイトについて話す機会はあります。

 

なお、アルバイト歴を書く必要がある場合はあります。中途採用の場合は、雇用形態と関係なく、実務経験をすべて書く必要があり、学歴と同じように各会社の入社時期と退職時期を明記します。

 

        例:(社名) 入社 正社員

          (社名) 退職

          (社名) 入社 アルバイト

          (社名) 退職

 

※なぜ新卒はアルバイト歴を書かなくてもいいのに、中途採用は書かないといけないのか:ブランクがないのを伝えるためです。例えば、正社員として経験がある人は何らかの理由で仕事を辞めて、その後しばらくアルバイトとして働いたとします。アルバイトとして働いていた期間を書かないと、職歴にブランクができてしまい、その時期に実際働いていたのに働いていなかったと思われてしまいます。そのため、中途採用の場合は雇用形態がアルバイトでも明記するのは重要です。

 

退職を明記する際に、退職理由を書く必要はありませんが、多くの人が「一身上の都合により退職」という表現を使います。これは、履歴書で詳しく説明しない個人的な理由によって退職したという意味です。面接時に、必ず前職の退職理由が聞かれますので、わざわざ履歴書に明記する必要はありません。

 

注意しないといけないのは、「一身上の都合により退職」という表現は個人的な理由で退職したときだけに使うのであり、退職せざるを得なかった時には絶対使わない表現になるということです。例えば、契約社員として働いていれば、その会社で働き続けたいと思っていても、契約の更新がなく満了になってしまったら、会社を辞めざるを得ません。人によるのですが、自分の意志と関係なく転職しないといけなかったとき、人が履歴書に退職理由を明確することもあります。ただし、履歴書に退職理由を明記するかどうかは個人の判断によるものであり、必須ではないのです。

 

        例:(社名) 入社 正社員

          (社名) 一身上の都合により退職

          (社名) 入社 契約社員

          (社名) 契約満了により退職

          (社名) 入社 正社員

          (社名) コロナの影響により退職

 

  • 資格

資格を取得している場合は、学歴と職歴と同様に、取得時期を明記しないといけません。資格は幅広いものですので、車の運転免許から外国語の能力試験まで、仕事に役に立てそうで取得している資格をすべて書きましょう。

 

言うまでもないですが、取得していない資格はもちろん書いてはいけません。

 

なお、資格は持っていなくてもある能力をちゃんと持っている人がもちろん多いです。例えば、資格取得のための試験は受けたことないが外国語が話せる人はたくさんいます。外国語能力は職場で役に立つスキルなので、アピールしたいところですが、資格を持っていなければその能力を資格の欄に書けません。

 

そういった場合は、資格の欄ではなく、自己PRの欄を使ってそのスキルについて話しましょう。資格の欄は名前の通り、取得した資格を書くための欄で、本当の能力を指すわけではないので、高い語学力を持っていても、資格を持っていなければ資格の欄は使えません。自己PRでできるだけその能力をアピールしてみましょう。

 

※次回は自己PRについて説明していきますので、自己PRの書き方がまだよくわからない人はぜひお読みください!

 

まとめ

 

  • 学歴

☑学歴は中学校の卒業から書きましょう。

☑まだ在学中の方は、最終学歴のところに「卒業見込み」を忘れずに。

☑西暦で書く場合はすべての日付を西暦で書きましょう。同様に、元号で書く場合はすべての日付を元号で書きましょう。

  • 職歴

☑退職理由を応募書類に明記しなくてもいいですが、人が自己都合で退職した場合は、「一身上の都合により退職」を書くことが多いです。

☑退職せざるを得なかった場合は簡潔にその理由(例:契約満了により退職など)を書いてもいいですが、必須ではありません。

☑アルバイトは書かなくても大丈夫です。

  • 資格

☑取得している資格をすべて書きましょう。

☑あるスキル持っていても、資格を持っていなければ資格の欄に書かないでください。

☑資格持っていなくても、そのスキルをアピールしたい場合は自己PRの欄を使いましょう。